芦屋市は、美しい街並みと文化的な施設が点在し、文学や美術、歴史を間近に感じることのできる魅力的な地域です。落ち着いた雰囲気のなかで上質なアート鑑賞や歴史散策、そして自然の中をゆったりと散策するなど、さまざまな楽しみ方があります。ここでは、そんな芦屋市でおすすめしたいスポットをご紹介します。
谷崎潤一郎記念館
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市伊勢町12−15
Webサイト
http://www.tanizakikan.com/
概要
1988年に開館した「谷崎潤一郎記念館」は、文学ファンにとって見逃せないスポットです。著名な小説家・谷崎潤一郎に関する資料や愛用品が収蔵・展示されており、数奇屋風の建築様式と相まって独特の雰囲気を醸し出しています。館内には庭園も整備されており、穏やかな空気の中で文学の世界に浸ることができます。
おすすめポイント
- 谷崎潤一郎の足跡を実感
生前に愛用していた机や硯などが展示され、谷崎の創作の源に触れられる貴重な機会です。吉川英治から譲り受けた書斎机を大切に使っていたというエピソードにも驚かされます。 - 美しい庭園と落ち着いた空間
芦屋らしい上品で落ち着いた雰囲気のなか、日本庭園をゆっくり散策できます。展示スペースは大きくはありませんが、静かに作品世界を味わえるのが魅力です。 - イベントが充実
講演会や朗読会、演奏会などが随時開催されており、谷崎文学をさらに深く楽しめます。
ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市山手町3−10
Webサイト
https://www.yodoko-geihinkan.jp/
概要
フランク・ロイド・ライトが設計した貴重な建築物で、もとは灘五郷の造り酒屋・櫻正宗の八代目当主である山邑太左衛門の別邸として建てられた住宅です。階段状に建てられた個性的な設計と、大谷石やマホガニーを多用した独特の意匠が魅力で、国の重要文化財にも指定されています。
おすすめポイント
- フランク・ロイド・ライトの名建築を体感
和室と洋風建築が美しく溶け合う空間は見どころたっぷり。細かな段差が連続する室内構造や、随所にちりばめられた幾何学的な装飾は圧巻です。 - テラスからの見晴らし
高台に建つ邸宅からは芦屋の街並みや大阪湾を望むことができ、当時ここでテラスパーティーも開かれていたと想像すると、優雅な時間を感じられます。 - お手頃な入館料
国指定重要文化財でありながら500円で入館できる点も、気軽に訪れやすい魅力のひとつです。
芦屋市立美術博物館
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市伊勢町12−25
Webサイト
http://ashiya-museum.jp/
概要
1991年に開館した美術と歴史が融合する複合施設です。芦屋市ゆかりの芸術家たちの作品を収蔵・展示するとともに、館外には小出楢重のアトリエが復元されているなど、アートを身近に感じることができます。図書館や谷崎潤一郎記念館と隣接しており、文化ゾーンとして散策を楽しめる立地も魅力です。
おすすめポイント
- 多彩な展示と企画展
芦屋に縁のある作家の作品や、現代アートの企画展など、多種多様な芸術に触れられます。 - 開放的な建物
コンパクトながら明るくモダンな空間で、展示室やホワイエがゆったり配置されています。落ち着いた雰囲気で作品鑑賞に集中できます。 - 併設のカフェも利用可能
アート鑑賞の合間に、ガラス張りの明るいカフェでリラックスするのもおすすめです。
滴翠美術館
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市山芦屋町13−3
Webサイト
http://tekisui-museum.biz-web.jp/
概要
公益財団法人山口文化会館が運営する美術館で、山口財閥四代目の山口吉郎兵衛が収集した陶磁器を中心とするコレクションが収蔵・展示されています。旧邸宅を改装した建物は静かな和の雰囲気があり、日本の美をじっくり堪能できます。
おすすめポイント
- 日本の陶磁器を堪能
志野や織部など、日本の陶磁史に残る逸品が多数展示されており、伝統文化を学ぶきっかけにもなります。 - 落ち着いた建物の雰囲気
和風建築を活かした展示空間は、ゆったり鑑賞するのにぴったり。日本らしい落ち着きを感じられます。 - 陶芸体験も可能
敷地内には「滴翠窯」があり、イベント時には陶芸教室が開かれることも。訪問タイミング次第では創作の楽しみも味わえます。
富田砕花旧居
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市宮川町4−12
Webサイト
http://www.city.ashiya.lg.jp/bijutsu/bunkashisetsu.html
概要
1930年代に谷崎潤一郎が住んでいた邸宅の一部を、1939年以降は詩人・富田砕花が住居とした旧居です。現在でも、当時の書斎が残っており、富田砕花や谷崎潤一郎の足跡をしのぶことができます。芦屋市が所有・保存に力を入れている貴重な文化遺産です。
おすすめポイント
- 文学史に名を残す建物
谷崎潤一郎が執筆に用いた書斎の面影が感じられ、さらに富田砕花の詩人としての歩みを知ることができます。 - 静かな住宅街でのんびり散策
周辺は芦屋の落ち着いた住宅街で、ゆったりとした時間の中、歴史と文学に思いを馳せながら過ごせる場所です。 - 無料公開
開館日は限られていますが、入館料は無料なので、気軽に立ち寄って文学散策が楽しめます。
荒地山
所在地(Google Map)
兵庫県芦屋市奥山 荒地山
概要
標高549メートルの荒地山は、六甲山系の南側に位置する自然豊かな山です。粗粒花崗岩が露出した岩場が特徴的で、ロッククライミングの名所としても知られています。整備されたハイキングコースが複数あり、初心者から中級者まで楽しめるルートが揃っています。
おすすめポイント
- アスレチック感覚の岩登り
岩梯子やキャッスルウォールなど、自然の岩場をアドベンチャー感覚で登るルー トがあり、大人でも童心に返ってワクワクできます。 - 絶景スポット
途中のテーブルロックなど、見晴らしのよいポイントから芦屋市街や大阪湾を一望でき、爽快な景観を味わえます。 - アクセスの良さ
阪急芦屋川駅や芦屋ゲートバス停から登山口が比較的近く、思い立ったらすぐに出かけられる手軽さが魅力です。
おわりに
芦屋市には、近代文学や建築、美術、そして豊かな自然など、さまざまな魅力が詰まっています。優雅な街並みを散策しながら文化的な施設を巡るもよし、山あいでハイキングを楽しむもよし。あなたの好みに合わせた過ごし方で、ぜひ芦屋市の魅力を存分に味わってみてください。