歴史深い寺院として知られ、日本初の眼科治療院の発祥と伝わる明眼院は、皇室ともゆかりが深く、天台宗の寺院として貴重な文化財を数多く有しています。鎌倉時代造立の仁王像や多宝塔など見どころが豊富で、季節の草花やつるし雛の飾りをはじめ、伝統を感じられるイベントも開催されるなど、大治町を代表する観光スポットの一つです。
明眼院
所在地(Google Map)
〒490-1141 愛知県海部郡大治町大字馬島北割114
概要
明眼院(みょうげんいん)は、802年(延暦21年)に最澄の弟子・聖円によって「安養寺」として開基されたと伝わる天台宗の寺院です。室町時代初期から日本初の眼科治療院として名を馳せ、皇室をはじめ全国から眼病平癒を願う人々が集まるほどの名声を博しました。後水尾上皇の皇女を治療した功績によって「明眼院」の院号が賜わり、その後も尾張藩主などから庇護を受けながら、眼科医療の先駆者的存在として発展してきました。
江戸期には参詣客や患者が大勢訪れ、寺の周辺には茶屋や宿屋が立ち並んで大いに賑わったと伝えられています。境内に鎌倉時代造立の金剛力士像(仁王像)が安置されているほか、多宝塔は国の登録有形文化財に指定されるなど、歴史と文化財の宝庫として現在も多くの人々を惹きつけています。かつては絵画や調度品も数多く所蔵していましたが、一部は東京国立博物館に移築されるなど、寺外でもその文化財的価値が認められています。
おすすめポイント
- 鎌倉時代造立の仁王像
境内に安置された金剛力士像は迫力があり、その精巧な造形は見応えがあります。町の有形文化財にも指定される貴重な存在です。 - 多宝塔などの歴史ある建造物
国の登録有形文化財にも指定されており、寺院の長い歴史を感じられる魅力的な建造物が点在しています。 - 四季折々の草花とつるし雛
季節ごとに境内には草花が咲き、和やかな雰囲気を演出。ひな祭りの時期にはつるし雛が飾られ、華やかな彩りを楽しむことができます。 - アクセスしやすい環境
境内にはベンチもあり、駐車場も用意されているため、車でも気軽に訪れやすいお寺です。地元の大治小学校の校歌にも登場するなど、地域に根ざした場所としても親しまれています。
おわりに
日本初の眼科治療院としての歴史や皇室との深い関わりを持つ明眼院は、大治町の伝統や文化を今に伝える貴重な寺院です。境内では鎌倉時代の仁王像や多宝塔など、見どころとなる文化財が数多く残り、四季の花々やつるし雛の飾りが訪れる人々を温かく迎えてくれます。大治町を訪れる際は、ぜひ明眼院の歴史と情緒を味わいながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。